筆 者 注 釈

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 ※1 ただ誤解無きよう、この自己批判について一言僕の見解を述べておきます。僕は労働党の基礎にあるチュチェ思想は朝鮮民族、人民の革命思想であり、自己批判すべき内容はその国内外の歴史的事情からくる歪みの問題、とりわけスターリン主義の残存の問題と捉える。逆に言えば今回の総書記の自己批判はこれまでの労働党や朝鮮国家の歪みを正し、今後自浄して行く可能性を内包していると考える。従って慎重に今後の動きを見守って行くべきと思っている。

 ※2 民族を生物主義的、つまり社会ダーウィニズム的に「社会政治生命体」と捉え、その頭脳をキム・ジョンイル氏とし、この「社会政治生命体」に、従って氏に、「全体あっての個」といった論調で「首領ー党ー人民」の図式で、忠誠する事でその構成員は「社会政治生命」を与えられる、と言ったカルトまがいの社会論、民族論(その他の社会論、民族論もあった)があり、これが残存スターリニズムと絡んでファシズムまがいの政治も許容されてきたと思われる。他方では素晴らしい人間自主論や民族自主思想があるわけですが、これが正しく創造的に発展されず「社会政治生命体」論によって疎外されてしまっているように思われる。