寄稿・論文



自主日本の会

掲示板

コラム

イベント

リンク

 topページに戻る

2・23「阿佐ヶ谷ロフトA・トーク」の報告。

ホットでクールな論議ができました。

2009年 2月 25日

塩見孝也


 2月23日の「阿佐ヶ谷ロフトA・トーク」は、盛況のうちに終わりました。

 80名余の方々が参加してくださったのでは?最初の時間帯は、もっと多かった、と思います。

 あまり、今回は丁寧なお誘いを出来なかったのですが、僕のミクシー仲間の方々が多数来られていたことはありがたいことです。この仲間達に感謝します。

 だけど、それだけにとどまらず、パネラーお三方のファン、平野さんの知り合いなど、あるいはマルクス思想ーマルクス学・「資本論」に興味を持ち始めている人達、あるいは、世界の行方に興味を持ってこられた方、と思えば、獄中仲間で、その後、全然会っていなかった人で初めて、であった人、僕の初対面の方もいらっしていました。

 的場さんの生徒の学生さんも来られていました。

 最初、「資本論」を既に読まれた方はいますか、と僕が質問すると、4〜5人の方が挙手された具合で、言い換えれば、これから<資本論>を、的場氏の話でも聞いて、読んでみよう、というような、新しいマルクスファン、予備軍の方達では、なかったでしょうか。

 『マルチチュード』とは、何ぞや、も論点になりました。

 それにしても、来られた方々の関心は、金融恐慌、世界同時不況、今後の世界はどうなるのか、既存の政治、スタイルでこの問題は収まってゆくのか、でないならば、人類は、どんな世界に旅立ってゆくのか、行くべきなのか、そこで、マルクス思想−資本論、資本主義批判は?

 オバマ路線はどういった展開になるのか?、「福祉社会論」やマルクス「社会主義論」に向けての回路は?といった具合だったのでしょう。
 
 的場、市田、ピオの三氏は、それぞれの持ち味を活かし、巧みに情況を説明されていたと思います。平野さんも、平野節ながら、謙虚に質問し、的確にその場をまとめていった、と思います。

 市田さんは、金融恐慌と絡めて、アメリカ資本主義の金融構造について、話され、一見、的場氏や僕と意見が相違するような、問題提起をされましたが、決してそうではなく、的場氏や僕の見地を踏まえられたうえでの、空いていた分野からの接近と理解しました。

 オバマとアメリカ民主主義については、H氏が独自の問題提起をしていましたし、いくつも意見が出ました。

 それにしても、的場、市田両教授は、情況に応じながら、的確に応答されていました。さすがでした。

 会場では、イースト・プレス社の「資本論 (まんがで読破) 」が販売されていました。(残念ながら理論的突込みが足らない、また、感情面に流されている様に思う。漫画で表現するのはやはり厳しいのか?)

 また、「文藝春秋」の記者も来られていたようでした。

 ピオさんが連れてこられた、フランス人の若い女性(留学生?)などにも、一言しゃっべっていただきたかったです。
 
 ある面では、政治・思想上の問題をアカデミックに理論的に追求し、それを、実践上の問題と絡めて行く方向は、多少とも硬い印象、とっつきにくい印象を与えるのかも知れませんでしたが、それでも、こういった硬派の問題に、こういった具合に、時には、パネラーや司会同士、会場とパネラー相互で緊張しながらも、ホットにして、クールな議論が出来たことは、きわめて意義があったと思います。


塩見孝也