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朝鮮民主主義人民共和国のこのたびの核実験について

いかなる国の核実験、核武装にも反対します。

2009年 6月 1日

塩見孝也


 朝鮮民主主義人民共和国は、去る5月25に二回目の核実験を行いました。これは、この国の核武装化を推進するものであります。

  僕は、この行動を、以下の全体的観点に立って、否定、批判し、反対します。

 僕は日本国憲法9条の信奉者です。この、見地、思想は、マルクス主義コミュニストの戦争と平和、その総括的な見地としての、国家常備軍の否定の見地について、本質的に一致していると思っているからです。

 憲法9条は、あらゆる政治問題について、武力による解決の志向、つまり、戦争による解決の志向を否定、批判し、交戦権の否定と軍事力の不保持を謳っています。

 これは、日本民衆、日本国民の先の世界大戦での被爆体験を含む、人類の戦争体験でも、最高水準、規模ともいえるような、実際的にも、倫理的にも苛烈、悲惨な、かつ、アジア・太平洋民衆・諸民族にも計り知れぬ犠牲を強いた、国民的戦争体験の反省に基づくものであります。

 それゆえに、日本民衆、国民のみならず、あらゆる国の民衆、国民、ひいては人類の戦争についての態度の規範ともなりうるものであると考えています。

 僕は、こういった、僕の思想、考えと憲法9条に照らして、いかなる戦争推進と軍事力強化にも反対し、とりわけ、戦争の悲惨を極限にまで推し進め、民衆、人類、地球おも破滅させうる危険のある核戦争に連なる核実験、核武装をより強く、否定、批判し、反対します。

 以上に見地に立ち、その理由のいかんによらず、いかなる国の核実験、核武装にも反対します。

 ●この観点から、朝鮮民主主義人民共和国のこのたびの核実験に反対するものです。

 この国が、プロレタリアートの国際主義的連帯に基づく戦争の否定、自衛、平和の追求という、戦争に対する民衆と人類の基本方向、原則を忘れ去り、「国家」、「民族」を至上とした、軍事至上主義、唯武器志向をますます強めている現状を深く憂います。

 ●同時に大国、アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランスらの帝国主義的世界覇権を目指す国家エゴイズムに基づく核独占の固定化、「核拡散の防止」の見地のマヤカシを批判します。

 ●あるいは、インド、パキスタン、イスラエルらの「国家」至上の帝国主義大国のそれに類するような核武装を批判します。

 ●また、かかる事態を名文にしての、日本支配階級の憲法9条を、その条文まで否定し、9条改訂を進めること、そこまでは、今はいたらないものの、「実質改憲」促進としての軍事力強化、自衛隊の海外派兵、核武装化、あるいは、核持ち込み、アメリカと組んでの「制裁」−「報復」の先制的武力行動の発動の動きに強い危機感を覚え、これを徹底的に否定、批判し、反対します。

 あくまでも、米−朝、日−朝間に横たわる問題は、日本、韓国、アメリカ、中国、ロシアらと北朝鮮民衆をはじめとする、国際プロレタリア−トの国際主義的連帯を基礎とする大衆的行動、政治によって解決すべきであると考えます。

 日本プロレタリア−トら民衆は、朝鮮国執権勢力を批判しつつも、同時に自国・日本執権勢力の対朝鮮戦争再戦の帝国主義としての朝鮮国と同質か、それ以上に強度の動きを警戒し、徹底的に批判すべきであると考えます。


 

塩見孝也