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東大駒場祭の報告

全共闘運動をを振り返る

2008年 11月 26日

塩見孝也

 Aさんへ

 メールありがとう。

 23日の企画は、大成功といわずも、大いなる成功、だったと思います。貴兄らを始めとする関係者諸氏の努力のたまものですね。

 このような企画は器がでかいのですから、始めから気張り、欲張りすぎると混乱し、ポシャッてしまいます。この意味で、抑制気味なスタンス、進行の仕方は賢明でした。

 今後、こういった問題意識を暖め続けつつ、徐々に、順を追って行けばよい、と思います。

 来年は、「東大闘争、全共闘40周年」ですから、もっともっと、全共闘を語る、運動は盛り上がってゆきますね。
 
 立花隆さんのスタンス、最首さんのスタンスは“お二人流”でした。

 立花氏は、メディアでの文筆家、学究としての第三者的立場、最首さんは自立、自己否定者の東大助手共闘代表の立場で語られていました。

 当時の僕ら学生の立場は、その位置づけはいろいろありましたが、「大学は真理探究の場である」は額面通り信じられており、学究者へは、敬意が払われていました。それが、裏切られたので、学生達は怒ったのでした。

 最首さんはそのことを語られていました。

 立花氏からは、中核派書記長、本多延喜氏への「文芸春秋」としての有名な「内ゲバ戦争」のインタビューのエピソードが聞けるか、と思っていましたが、出されませんでした。

 氏は諸般の事情を考え、意識的に省かれたのでしょう。

 そして、全共闘当事者の米田氏やもう一人の方の発言は、あれから40年をへての考え尽くされた含蓄あるもので、皆さん、なかなかなものでした。

 現中核派「全学連」のO委員長は、自己主張をするのか、と思いましたが、挨拶だけでした。

 一寸、気抜けしました。

 そうすれば、僕も含め、会場には、いろんな方々がいらっしゃり、いろいろと問題点が噴出するわけで、“やばく”なりますから、ああいった対応になったのでしょう。自信のないことの現われともいえますが、賢明ではあった、とも言えます。

 それに、僕ら全共闘世代や同時代を生きてきた多数の年配の人々を前にしては、そうそうはでかい態度は取れるわけがなかったのでしょう。

 日大全共闘の方の挨拶は、当時の“偉大”で、ダイナミックなカオス、そのものを再現していて、言いたいことを言っておられ、貴重でした。あんなものではなかったでしょうか。
 
 あの法政大学のサークル連合である文化連盟の代表の方の「現実の闘争と離れて、抽象的なやり取り」という批判的発言は、簡潔ながら、現情況と東大の情況を切り裂いていて、鋭く、今後の「洪水」を予兆させていました。

 さすが、法政大学で第一線を闘っている学生諸君の代表でした。今の学生大衆の現状とは次元の違う感性、思想性、生き様が見受けられ、僕は頼もしかったです。

 学生青年諸君や東大生諸君はああであって欲しいです。

 僕も、法政の反弾圧闘争には、係わり合い、応援してきたものですが、法政OBで、彼らと一緒に今も闘い、彼らのグループとやって来ていた、友人のN氏とは、長い付き合いでしたが、気になっていたので、確かめたのですが、「中核派(系)ではなく、黒ヘル系統」と彼自身「旧黒ヘル」出身(ノンセクトラジカル出身)でしたから、胸を張って説明してくれました。

 何故だか、安心しました。

 彼の発言が、一番冴えており、しっかりしていました。
 
 僕の方は、大砲を撃つ用意は備わっていたのですが、撃つべき砲弾も準備していましたが、どんな出方でそれをするのか、では、途惑い、ひとまず、あんなエール送りの挨拶となりました。

 貴兄らの僕に求められていた、暴力(非暴力)の問題、連赤事件の問題、情勢把握と今後の方向性らの問題ら、展開したかったのですが、出し方の問題もあり、控えました。

 結論を、超簡潔に出す、やり方もあったでしょうが、やはり、時間制限ややや場違い性も加わるわけで、もう2時間ぐらいあれば、相当、煮詰まったでしょうが、今回はあの程度に止めるので良かった、と思っています。
 
 一つだけ、僕にとって、気残りで、残念だったのは、次のことです。

 仲間達とともに、現に今、闘っている「9条改憲阻止の会」の運動情況だけは触れておくべきだったのですが、それがなせなかったことです。
 
 それにしても、会場はぎゅうぎゅうで、一杯となっていましたね。300人は入る教室なのでしょう?盛況でしたね。

 肝心の東大生は、少なく、元気の良い、「外人部隊」の個人、全共闘世代の人たち、男女の青年達、諸グループと大勢のマスコミの人々という構成でしたね。

 当時に近い雰囲気が醸し出されて、僕も少し、興奮しました。
 
 僕も多数のミクシィ仲間やメディアのいろんな方々から挨拶を受けました。

 ともあれ、貴兄らの作った立派な資料も加わって、東大、東大生の現状も写し出されており、コンパクトにまとまった、なかなかのイベントでした。
 
 最後に、貴兄ら実行委員会が、丁重に礼を尽くして待遇してくださったこと、僕はありがたく思っており、お礼を言いたいです。


塩見孝也