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弾圧に想うこと。
完全黙秘という「沈黙の共和国」を築き上げよう。
2008年 11月 10日
塩見孝也
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●「麻生邸でてこい!!リアリティツアー」への、弾圧は、ひとまず、撥ね返され、3人は奪還されました。これは、全く、祝うべきことです。
このような、間髪を入れずの、反撃が何よりも大事です。
被弾圧者達の、弾圧・取調べ報告を聞いてみると、公安警察の取調べ弾圧の本質、手法は、相変わらずであることを痛感しました。
そうであるがゆえに、公安警察と闘うことに於いて、何よりも重要なことは完全黙秘闘争を貫徹しぬくことであることを再度、強調しておかなければなりません。
民衆運動にかかわり、推進せんとする人たちにとって、公安警察との戦いを、自己の生活、闘争の全方面において、意識的に位置づけ、この方面で戦ってきた先人、先輩たちの経験は意識的に摂取するように心がけるべきでしょう。
救援連絡センターとの結びつき、弁護士諸氏との日ごろの連帯、交流は特に大事です。反弾圧のための「救援ノート」については、繰り返し、読んでおいてください。
●その上でのことですが、僕は完全黙秘の貫徹の重要性を特別に、重ねて、強調しておきます。
闘おうとすれば、必ず、公安警察(政治警察)との普段の緊張した熾烈な闘争関係に入って行き、不当逮捕を甘受せざるを得ない事態がくることは覚悟しておかなければなりません。
避けがたい、ことと考えておくべきです。
三日間の拘留、その10日間の延長、そして、更に10日間の延長です。
この23日間で、検察ー警察は起訴するか、不起訴にするかを決めます。
この、23日間を、黙秘しぬくことです。
向こうが、“落とそう”とする場合は、別件逮捕で、更に追撃してくることもあります。
又、頑張らなければなりません。
こういう時は、弁護人と相談し、「勾留理由開示裁判」をやるべきです。
日本国憲法、刑事訴訟法では、「公民が何ゆえ、拘留されて、取調べられなけねばならぬのか、その理由を、公の場、法廷で問いただす権利を有す」ことが銘記されています。
そうすれば、自分が、孤立してないこと、団結が保たれていることを確信できます。
法廷では、自分の信ずる所を、弁護士−仲間、同志の救援会と相談ししつつですが、仲間、同志の前で思い切りしゃべり、検察ー警察を糾弾してもかまいません。
代用監獄としての留置場は、被弾圧者への最高度に訓練された転向促進、人格解体の基地、マシーンと化します。
この基地は、あらゆる場所、機能、時間が、そういう目的で、集中化されながら発動しているのです。
拘置所もそうですが、留置場は、更に、最高度に権力の掌(たなごころ)にある基地、転向促進マシーンです。
そこで、いかに被弾圧者が、「小知恵」を働かしても、通じることはないと思うべきです。
ここでは、世間的な権能、力はほとんど、否、全くといって役に立ちません。
しかし、力弱き女性でも、老人でも、障害者でも闘える最強の武器はあるのです。
それが、黙秘権の行使に他なりません。
被弾圧者が、弾圧者に勝利する武器は、物理的武器でも、腕力でもなく、はたまた、世間的権能でもありません。
それは、被弾圧者の思想、信念、精神的要素を武器にして、「沈黙の共和国」を築くことです。
こういった「共和国」なら、上記の「弱い」人でも、誰でも築けます。
●仲間、家族、友人、弁護士への不信感を煽り立て、自己への「迷い」への攻撃、弱点、被弾圧者の泣きどころを見つけ出し、それを徹底的に攻撃してきます。 他方で、「屈服すれば、起訴しない」「早期にパイしてやる」の甘言が、提起されます。
この際、絶対に権力の甘言や恫喝に動揺してはならず、彼らの挙動、言質に惑わされてはなりません。
腕組みし、天井でも眺め回し、冷笑も良いですが、それよりは、無表情が一番良いです。
誰でも、一日でも娑婆に出たいものです。そのために、供述の誘惑に駆られるものです。
ここでの、身を守り、仲間、味方を守る武器は、被弾圧者の信念、思想、こういった事柄を命を賭けても守り抜かんとする自己の人格への誇りのみです。
ぎりぎりの、孤独な一人の闘いに於いて、己を守る武器は、彼らとの不交流−拒絶、否定、これ以外に無いのです。
「沈黙の共和国」を、心身のすべてで築くことです。
思想と思想の戦い、これが、完全黙秘をするか、完全黙秘を破り、自供させるか、の壮絶な戦いとして凝結してゆくのです。
権力に媚びないこと、仲間を売らないこと、しゃべることは、必ず、仲間を売ることになってゆきます。
思想対思想の闘いであること、このことを忘れてはなりません。
しかし、ここで、非妥協に完全黙秘闘争を貫徹すれば、権力の方もなすべきことが無くなるのです。
完全にお手上げ、します。ここまで来れば、こっちの勝利です。
●仮に、自供し、調書を取られ、少々、早く出たとしても、次にどんなことが、待ち受けているかを考えてください。
仲間、同志、友人、家族、相互間での不信感の増殖です。団結が、徐々にか、急速に腐食されてゆきます。
しかし、何よりも確認しておくべきは、それが、被弾圧者に、人生において、悔やんでも悔やみきれないような精神の傷、トラウマを、生涯巣食わせてしまうことになる、ということです。
自己の思想、人格への不自信、不信が尾を曳き、生涯、悔やむこととなります。
供述書を一枚か、二枚取らす事でも、そうなるのです。
氏名、職業、年齢、住所、そんなことを供述することは、何でも無いようですが、それが、己の「沈黙の共和国」の城門を破られ、「共和国」解体の一歩となってゆきます。
仲間、同志を信じ、何よりも自己の思想・政治的信念、自己自身を信じ、自分の心身において「沈黙の共和国」を築いて、思想対思想の闘いに勝利しよう。
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塩見孝也 |
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