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       康パウロさん逝去第一信 塩見孝也


 本日(4月1日)8時半、李在律さんから電話が入りました。

 昨晩でしょうか、康パウロさんが亡くなった、とのことでした。

 この二日前か、ある人から「脳溢血で倒れた、余命は幾ばくもなさそうだ」という情報は受け取っていました。

 その前の日、同じ人から「産経新聞」に「現役朝鮮工作員へのインタビュー」なる記事が報道されていました、という連絡がありました。

 現役工作員とは彼のことでした。

「現役工作員」と自称する人が「反朝鮮国」の急先鋒である「産経新聞」に自分の「日本工作」の歴史を綿綿と語るのも、僕には不可思議に思われました。

 その同じ日に、前後して、白船事務局の一人の仲間が「康パウロ氏が俺達が飲んでいる、新宿の酒場で一人で酒を飲んでいるよ」と連絡を入れてくれました。

 僕は、なんとも割り切れぬ感情に襲われつつ、その情報を聞いたのでした。

 李さんには「ご愁傷さまです」「お悔やみ申し上げます」とだけ、お伝えしておきおきました。

 僕も、今後はどんな想念が湧いてくるか、又彼について何がしかを語らなければならぬことが生まれるかも知れませんが、いまのところは、これに尽きる言葉は出ませんでした。

 李さんに「僕乃至は僕等に何かして欲しい、頼みたいことがありますか」と聞きました。

 氏は「いや、ありません。このことを、塩見さんにお伝えし、知っておいていただきたかっただけです」と言葉すくなに答えられました。

 康さんの冥福を祈ります。