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*連合赤軍殉難者追悼の会
−−彼らは如何に生き、如何に闘ったか−−
2003年2月23日 13時から 文京区民センター

「連合赤軍殉難者追悼の会」への呼びかけ


   拝啓、寒さも厳しいおり皆様いかがお過ごしでしょうか。

 早いもので1972年初頭の「連合赤軍事件」から30年が過ぎました。1940,50年代に生を受けた私たちは、1960年の「安保闘争」、60年代の「ベトナム反戦運動」を契機として世界や政治・社会に目を見開き、「反権力」の闘いに身を投じました。

 私たちの理想は一部の権力者や一部の強国が一元的に支配する世界ではなく、世界の国々やそれぞれの立場を認めないながら世界の民衆と連帯してインターナショナルな世界を築く礎となることでした。1960年代後半の「反権力闘争」び後退戦で、私たちは局面を打開し、世界の民衆と連帯するべく自らの存在と思想をかけて「武装闘争」に踏み切りました。私たちには「新左翼闘争」の最先端を担っている誇りと自覚はありましたが、実際のところは闘いの全体からも時代の変容からも孤立していました。それでも時代の先端と切り結びたいと私たちは願い、青春の渦中の甘さや残薄さをも引きずりながら生死をかける闘いに自らを捧げていったのです。

 私たちはこの闘いの過程で多くの同志たちと巡り合い、寝食を共にしながら堅い契りと友情を結んでいきました。1971年頃、「大菩薩峠軍事訓練」「よど号ハイジャック」「M作戦」などを重ねてきた共産同赤軍派と「愛知外相訪ソ訪米阻止羽田空港突入」「上赤塚交番銃奪取襲撃」「真岡銃砲点店奪取」など重ねてきた日共革命左派とはお互いの闘いに共感し、ともに連帯して闘うことを誓い合いました。

 しかしながら1971年夏、闘争から離脱した2名の同志を「印旛沼」で殺害し、さらに1971年末、山岳ベースに結集した両派は「新党」を結成し、その過程での暴力的「総括」要求の中12名の同志たちの若い命を奪い、あるいは反革命の罪を押しつけて処刑するという事件を起こしました。

 1972年2月29日、最後に残った5名のメンバーは「浅間山荘」にたてこもり10日間にわたる銃撃戦の末、2月28日全員の逮捕で私たちの闘争は終わりを告げたのです。

 私たちはこの事件で生を奪われた同志たちのことを思い起こします。彼らと共に闘い喜びも苦しみも共にした私たちは、彼らの死という事実のみを闘争の結論にしてしまうわけにはいきません。同志たちが死を迎えた年齢はまだ21歳から28歳までであり、春秋に豊み正義感と自己犠牲の精神にあふれた青春の最中でした。

 その後、事件の衝撃だけが大きく喧伝され、同志たちがいかなる思いで闘争に参加し、いかなる理想を掲げ闘い抜いたのかが忘れさられていきました。多くの遺族たちも自分たちの息子や娘たちがどのような思いで、何のために闘っていたのかが解らないまま事件の衝撃に30年間耐え続けています。

 このような状況の中で、私たちは今一度彼ら(私たち)の闘争の意味を振り返り、この闘争に赴いた原点を確認したいと考えています。私たちの願いは亡き同志たちの死のみを語るのではなく、生の意味を考えて、彼らの生きざまを現在に呼び戻したいというものです。また亡き同志たちの思い出を集積して文章に残し、遺族への慰めとするとともに、彼らの思いを真実を多くの人々に知っていただきたいとも願っています。

 早岐やす子(享年21歳)、向山茂徳(享年20歳)、尾崎充男(享年21歳)、進藤隆三郎(享年21歳)、小島和子(享年22歳)、加藤能敬(享年22歳)、遠山美枝子(享年25歳)、行方正時(享年22歳)、寺岡恒一(享年23歳)、山崎順(享年21歳)、山本順一(享年28歳)、大槻節子(享年23歳)、金子みちよ(享年23歳)、山田孝(享年27歳)。なんという若さで彼らは「あの世」へと旅立ってしまったのでしょう。あれから30年、多くの友を失い初老を迎えた私たちは再び世界の転換点に立ちつくしています。

 私たちはこの集まりで14人一人一人の生と向き合っていこうと思っています。彼らの人となりをよく知る友人たちに思い出を語っていただき、彼らのと共にある時間を過ごしたいと思います。彼らの霊を今一度「この世」に呼び戻し、思い出を語り合い、彼らの生きざまを語り、闘いの意味を考え、再び「あの世」へと送り出してやりたいと願っています。

 共に闘った同志たち、彼らを知る友人、同級生、家族のみなさん、彼らと同時代を生きた私たちが語り伝えようではありませんか。彼らが伝え切れなかった思いを、真実を! 敬具

  呼びかけ人 
 金廣志、雪野建作、関博明、植垣康博、前沢虎義、黒宮雪彦

  賛同人 
 大泉康雄、大賀達雄、小野田襄二、加藤倫教、菅孝行、蔵田計成、後藤護、塩見孝也、重松雍明、茂山和也、鈴木邦男、高橋伴明、高橋檀、田鎖麻衣子、沼知義孝、穂積満、牧野一樹、水戸喜世子、山本雄一郎、渡辺道夫(2月21日現在)