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「皇室典範改正」と「天皇制」についての若干の意見
Y先生への手紙より
2006年 2月 21日
塩見孝也
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Y先生へ
お久しぶりです。メールありがとうございます。
ご返事が遅れてすいません。
僕を、天皇制廃止論者と言えば、そう考えていただいても構わないのですが、やはり、この言葉の醸すイメージから考えれば、相当、語弊があります。
少なくとも、日本共産党、32テーゼ系の「天皇制廃止論」者とは、全く物事の考え方が違います。
或いは、70年代から、80年代に在った、昭和天皇を想定した、新左翼系の「民族論」「愛国論(パトリ論)」無き、「社会主義革命」「プロレタリア独裁」「暴力革命」論に基づく、「天皇」「天皇家」との「絶対非和解論」とも違います。
だから、最近どうされていますか知りませんが、Aさん辺りが、丁度テレビ局の望んでいる人物(天皇制廃止論者)ではないでしょうか?
連絡先は分かりませんが、先生がお必要とされるなら、捜します。
さて、「天皇制論」です。
長期的に見れば、そういってもいいのですが、強いて僕の立場を規定するなら、「天皇制無化論」者ではないでしょうか。
「あったほうが、良い」とは言いませんが、「差し当たって、あっても良い」というところです。
だから、現在の「象徴天皇制」を、限りなく、「脱構築」し、普通の民衆の家庭、神道の宗家に、風化、無化して、近づけてゆくこと、かも知れません。
僕は、天皇家が京都に遷宮され、政治の喧騒からはなれ、静かに、「“国民”の安寧、福祉を祈念」されることを望んでおります。
いわゆる、日本文化の或る部分を代表するものとして、残る可能性も敢えて、否定しない、見地です。
最終的には、民衆と天皇家の交流、対話の中で、天皇家の未来は決まってゆけば、よいのではないでしょうか?
いずれにしても、天皇家は、権力の一環ながら、決して、権力の主要部分ではなく、主要敵にしてはならないこと、仮に「廃止論」を主張するにしても、その、方法、段取りは、全くといって、違わなければならないのではないでしょうか?
主要敵はアメリカ帝国主義であり、それに従属する独占資本主義の資本制「従属帝国主義」と考えます。
言い換えれば、32テーゼの間違いを固守する、「天皇制廃止論」者の、日本共産党系の「天皇制廃止論」の考え方とは、一定その意義を認めるにやぶさかではありませんが、僕流ですが、「民族論」「愛国論」を持つ、一段階社会主義革命論者である、僕とは、違います。
天皇家の女性達の改革、民主化を支持しつつ、もちろん「男系天皇論」に反対しつつ、当面、「女系(直系)天皇論」を支持する、訳ですが、他方で、小泉の意図が、奈辺にあるかもしっかり見ておくべきか、とも思っております。
小泉は、アメリカの指示に従って、日本の、自分たちに、最後は逆らうだろう超保守の復古主義「天皇主義原理主義者」勢力のより所、つまり「天皇カミ」化のより所、「男系論」を、否定すべく、そこからの、天皇主義勢力の一掃を通じ、従属グローバリズムと従属覇権を一層推進するところに、その狙いを据えています。このこともしっかり見ておこうと思っています。
僕は、日本型ネオコンの藤岡氏、佐藤氏らを含んで リ・ニューアルしつつある超保守、右翼の天皇主義原理主義者、「日本文化チャンネル・桜」グループと徹底「闘論」を繰り広げてきております。
徹底、批判しています。
彼らは、原理主義の装いを凝らしていますが、保守系の復古的独占資本主義の勢力として「天皇家」を利用しているに過ぎず、天皇家自身が、彼らの論調に賛成したり、彼らを率先して使嗾したりしているわけでは全くないと思っています。
この区別が、大切と考えます。
天皇家、皇族の方々は、決して政治的発言はされません。しかし、周囲を取り巻く人々については「一枚岩」でなく、「対米従属肯定」を主張する人も今後輩出して行くかもしれません。周囲の情況によっては「廃止論」のトーンを前面に押し出さなければならない時が来るかもしれませんが。
天皇主義者も分化、再編され、反米民族主義を唱える、余り天皇制に拘らない、「新右翼」、鈴木、木村両氏ら一水会らも、輩出してきています。
僕は、民族派左翼として、このような潮流と反米愛国統一戦線を組もうと思っています。
そのためにも、民衆の側が、先ず持って、しっかりした「民族論」「愛国論」を確立し、民衆自身が、国際主義者であると同時に愛国者として、保守・反動勢力に確固とした立場で対峙する必要があると思っております。
このような、態度は、僕の「日本従属帝国主義」論、そして「民族論」「愛国論」に基づいております。
天皇論につきましては、先生のご意見をお伺いしたいところですし、非常に興味あるところです。
先生の参考までに、先生にお暇なとき、読んで頂ければ、と思って、HPにアップした二つの論文(反米愛国統一戦線、および愛国論・民族論)を添付させていただきます。
塩見
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