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「タイのKさんへの手紙」

2005年 12月18日
                    塩見孝也




K様

久しぶり。体調の方はいかがでしょうか?

タイの報告ありがとう。何か、コラムを作りましょう。

僕が、見沢の件で、坂口安吾の「特攻隊」を引用したのは、限定付きです。

僕は先の太平洋戦争は、人種戦争の面や民族解放闘争の面やスターリン主義の「大祖国防衛戦争」らの複雑な側面も複合的に持ちますが、日・米帝国主義のアジア・太平洋の土地分割と再分割の帝国主義強盗戦争が基本性格と思っています。

その上で、日本人が、この戦争で、敗北過程に入った時、革命党足るべき共産党も解体し、戦争後に備える体制も築き得ないでいる、歴史的条件では、勇敢な日本人は、家族・パトリを守るべく、敗北必死の自爆的戦争を闘わざるを得なかったことです。

それ以外に選択肢が無く、その不毛な自裁的戦いを、自らの犠牲でやりぬくことで、帝国主義戦争とその悲惨を子孫に示すことで、次の来るべき社会が、悲惨な戦争なき社会たるべきを遺言した、と考えます。

この意味で、無駄な犬死ではなく、誠に崇高な高貴ある死であり、日本人が、ぎりぎりになった時、どんな崇高な精神を示すか、の優れた模範と思っています。

日本人が、誇り高き文化を持った民族であることを、鮮やかに示しています。

この文化、精神は天皇主義文化でもなければ、靖国の文化でもありません。民衆中心で、開かれた、自主的な男女が創り上げてきた、パトリ文化であり、縄文ら自然一体化、人間も含めた自然を命として見る自然愛好文化であり、もののふ精神に見られる、独立自主、自尊の武士道文化で、あり、平和愛好の文化です。

この平和愛好文化は、戦後日本人の国民体験として、戦争否定の世界平和追求精神や非暴力思想として、日本人の中に定着しました。

縄文−ものの哀れ、武士道、世界平和の人類愛、これが日本文化、日本人の個性となっています。

特攻隊、紫電海の闘い、人間魚雷、沖縄戦、東京無差別爆撃、そして原爆被爆−このような悲惨な犠牲があったからこそ、戦後日本人の可能性は開かれて行ったと思いますが、それがアメリカに従属し、グローバリズムにいかれ忘れ始めていることが、今の危機なのです。

このような、パトリオット(愛国者)の面を、見沢の中に見出してやりたかったのです。

僕は元気です。 では、又。


塩見