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「血筋」=男性天皇にこだわるのは時代錯誤だよ

雑誌FLASH11月9・16合併号
「宮内庁×雅子妃報道 これが真相だ!」から


「左翼VS.右翼の大物2人が激突…女帝は是か非か!
今の皇室問題は結局“女帝論争”に行き着く。ともに理論家として知られる2人の結論は、以外にも“女帝容認”で一致した!」(見出し)

 左翼はみんな天皇制に反対だと思われていま すが、ボクらが学生運動をやっていた’60年代か ら’70年代はじめまでは、天皇は基本的には人畜 無害な存在だった。これは若さからくる認識不 足も手伝っていたでしょうが、社会認識として はけっこう的を射ていたのではないか。社会主 義革命はあくまで資本家を攻撃するのが本質で あって、皇室は権力の一部ではあっても本質で はなかったからです。

 今だって、こういう状況で真正面から天皇と 対立するのは、左翼の立場としてはアホなこと なんです。ですから、ボク自身も結論からいえ ば皇室は「あったほうがいい」とは言わないが、 「あってもよい」と思っています。大きく見たら、 今の天皇家は徳川幕府のときと同じで、国のシ ンボル的な存在としてあるからです。

天皇家自 体を見ても、基本的には南北朝のころで権力的 な構造は終わっている。それ以後は象徴的な位 置づけでずっときていた。むしろ、明治維新か ら戦後までが異常だったんです。天皇家がワー ワー持ち上げられたわけですからね。

僕は皇室がもっと博物館的な意味で存在して もかまわないと思っているんです。ただし、政 治にタッチしてはいけない。いちばんいいのは 京都に帰って、神社の大神主さん、広くいえば、 民族文化の重要な一つの中心となること。政治 に利用されないようにすることが大事です。

民族を「血」として考えるのが右翼の常套手 段ですが、ボクは「血」なんて二の次、三の次 だと思っている。民族というのはもともと人間、 民衆が向上していくために大地と結びついた歴 史的、社会的な存在単位であって、血縁的な存 在ではないと思っている。そういう原理から民 族を考えないで、思考停止になっているんです。

皇室が性差別、身分差別の象徴と見られるこ とを払拭する意味でも、女性の天皇だってボク は大いに賛成です。女性天皇は認めないなんて バカなことは言うべきじゃないですよ。逆に女 性天皇が誕生すれば日本民族にとっても,皇室 にとっても大いにいいことだと思っています。

美智子さんも苦労されたようだし、雅子さんな んか見ててかわいそうだよ。愛子さんがいれば、 男の子が生まれなくてもいいじゃないですか。 推古天皇も持統天皇も女性だったわけだし、男 性天皇だけが偉いということはない。要はみん なに親しまれる存在になればいいんです。

このままでは、弱くなった男のひがみから、 逆に「女はダメだ」と言っていると勘ぐられか ねない。男が本当の意味で強く、男らしくなる ことこそ真剣に考えるべきです。女房だってお だてたほうが家庭はうまくおさまるでしよう(笑)。

男性天皇じゃないとダメだというのは、完全に 時代錯誤だと思います。これに関しては左翼よ りも右翼のほうがブレるでしょうけどね。