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中国での「反日デモ」について

2005年 4月 19日

                    塩見孝也



1:日中民衆は、両国が国家主義的対立の悪循環に陥いらないように最大限配慮すべきである。



 中国民衆は、一部暴徒の日本人に対する卑劣な暴行を止めさせ、中国人全体が攘夷主義的「抗日」に陥いることを戒めるべきである。

 また、中国政府と警察は、一部暴徒による日本人、日本企業、日本公的機関への排撃、暴行を厳格に取り締まるべし。

 一方で、日本の民衆も断じて日本人による日本国内での中国人への暴行を毫も許してはならぬ。

 無論、日本の政府と警察も、法治国家の名において、日本人による中国人暴行が起きないように厳格に取り締まるべきでる。

 日中両国の民衆は、今こそ冷静に努め、粘り強く相互理解を深め、誤解や予断・偏見を解いてゆかねばならない。




2:現在の日中緊張を、大局的に日中関係の全体を見るようにし、相手側の所為のみにする
 発想を止めよ。
  
 双方に原因があり、それが関連し合っている観点で内省的に対応すべきである。


 僕は自民党政府、小泉首相ら執権勢力の「侵略戦争居直り」とも受け止められる形での靖国神社参拝、憲法改「正」らの対アジア政策がこのデモの少なからぬ要因を占めていることを感じる。

 日本民衆、日本政府は、中国側の「歴史認識の批判」を真摯に受け止め、先の戦争の原因、推移、責任、同胞犠牲者の祀り方については、日本国民自身が決着を付ける問題として、もっと論議を尽くすべきである。

 これらが中国や韓国デモの反応を招いた面が大きくあることを重視し、この点で、小泉首相らは緊急に具体的対応が必要である。

 しかしその一方で、僕は中国共産党の資本主義的唯生産力主義から惹起する社会矛盾の累積を他国、他民族排外化や中華思想の鼓吹、あるいは、強権的・軍事的な「台湾分離阻止」法案の法制化などによって切り抜けて行かんとする現在の在り様にも少なから危惧を覚える。

 あるいは、その煽りの果てに、第二の天安門事件の発生すら危惧するものである。

 中国共産党は、中国民衆の国際主義的連帯・帝国主義の覇権主義反対、民主主義の実行の要求を最大限尊重、擁護し、それを「一党執権」「社会主義市場経済」路線の中でも、その弊害を克服しつつ、民衆中心で育てて行くべきであろう。

 中国は大人、大国として、世界のリーダー国の認識をもっともっと持って欲しい。

 日中間において、「日中友好が日中共同の利益である」ことの大前提であることを常に噛み締めて欲しい。
 

         2005年 4月 19日