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日本文化チャンネル桜 (SKYPerfecTV! ch.767)

日本よ、今... 「闘論!倒論!討論!2005」

4月2日放映分 (3月26日 収録)

                    塩見孝也



その1:僕が提案を受けた事情とその意義――日本文化チャンネル、桜とは?

その2へすすむ


 収録は、手短な打ち合わせの後11時半頃からか、途中2回の休憩を挟みつつ、正味3時間、3ラウンドで行われました。

 テレビ局は、渋谷の宮益坂を登りきって、一寸左に折れたところにあります。1,2階を占める、立派なテレビ局でした。

 スタディオには吉田松陰の教えである「草莽堀起」が大書されていました。

 「果たして、このテレビ局と、今回お相手してくださる人々が、松蔭のスピリットを本当に理解してくださっているのだろうか?」と思いましたが、この言葉は、社長にして、司会の水島総さんがお好きな言葉である、ということで納得しました。

  討論の模様は、「朝まで生テレビ」に似た雰囲気です。

双方とも馴れぬことであり、やや固くなるところが、最初、お互いにあったと思いますが、又テーマがテーマで、かつ「倒」「闘」「討」論であれば、噛み合うところは噛み合いながら、広がれば際限も無く、でありました。

 が、全体の討論の沿革、論点も相当出て、双方思うところを、ぶっつけ合い、白熱し、感情的に激す場面も、多少は生まれましたが、又双方、言い足りないところも相当あったと思いますが、激闘の割には後味の良い展開になったと思いました。

 最初の試みとしては一応及第点に達し、これが活きるか否か、も今後にかかり、この企画の系統性の持たせ方、如何では、メディア的関心も引けば、政治的、思想的論争世界でも、ある種の惑星的影響を及ぼす、と自己採点しました。

 ともあれ、このような破天荒な企画を敢えて実現した、水島氏や井上氏ら「日本文化チャンネル」と僕や三上氏ら年配者には敬意を払い、パンタさんの替わりの椎野礼人さん、沢口友美さんら僕等4人に礼を尽くして、我慢強く、お相手して下さった高森、遠藤、潮、河内屋の四氏に感謝するものです。

 それにしても、この話は、受け手如何ではなかなか成立しない、話と思われます。

 それを、敢えて、受け、仲間をリクルートした僕は、当初、幾らか考えましたが、「マルクス主義超克派」、「左翼民族派」を自認する僕としては、本当は、一番望むところの、テーマ、スタイルであり、大いにやる気十分だったのです。

 そして、日ごろの政治的思想的研鑽、哲学的思索らを試す絶好の機会と思っていたわけです。

 何しろ、相手は、日本政治・思想界の、一部として、日本型ネオコン勢力も含む最保守派、僕等民衆派、反戦派の対極にある勢力ですから、激突は必至です。

この勢力と論戦ながら手合わせすることは、大げさに言えば、今後の我が国の政治の推移を、占うことが出来るとも思えました。

 そしてそれを撃破すれば、“戦争のできる体制”構築、憲法改悪との闘いの出鼻を、思想的・理論的に叩くこととなり、第4次反安保・反改憲闘争の緒戦の大きな民衆側の成果を生み出せるとも思えました。

 でなくても、執権勢力最右派の手の内を探れ、味方の側の長所、短所、力量も図ることが出来ます。

 しかし、この闘いは今回のサッカーのバーレーン戦の様に、負けるわけにはいかない闘いでもあります。負ければ、出演者の名誉ばかりでなく、味方民衆を意気沮喪させます。ましてやオウンゴールでもしようものなら、僕の政治生命にも関わります。

 例によって、僕の周りの傍観者を決め込む、『俗論派』の人々があること、ないこと囃し立てる事も目に見えています。

 だから、勝敗の帰趨も頭に入れておかなければなりません。

 しかし、公開論戦は、明らかに大いに意義あることです。

 そして、この潮流には、小林よしのり氏や西部邁氏が「反米」を掲げて離脱して行った様に、根本的な矛盾があり、又ひと頃の勢いもなくしてきています。総じて、“僕には勝算あり”の最高に面白い話ではある、と思われたのです。

 このように考えて、仲間の文化人、知識人等に打診したら大半は賛成してくれ「スケジュールさえ合えば幾らでも出演します」といってくれましたが、消極的な人たちも居、某有名新左翼党派のリーダーの一人は、「出れば自分は除名される」と冗談半分か、のたまう始末です。困ったことです。

「マルクス護教派」には、その石頭性と自信の無さも関連し、従来の「政治的敵対関係であれば、公開の席といえども席を同じゅうせず」の「我一人高し」とする人たちも居るわけです。

 ここで、若干の経緯をお話しておきます。

「日本の最保守派」とは、石原慎太郎都知事、西尾幹二氏や藤岡信勝氏ら「新しい歴史教科書を作る会」の人々、或いは「現代コリア」の佐藤勝巳氏らの人々です。

 これらの人々が、元自民党幹事長で次期首相候補ともてはやされている安倍晋三氏らと付則不離で、日本社会の保守化を牽引しているわけです。

 藤岡信勝氏や佐藤勝巳氏が元日本共産党員であり、変節して今の位置にあることは有名な話です。

丁度、アメリカの左翼のほんの一握りの人たちが、ブッシュのブレーン、“ネオコン(ネオ・コンサーバティブ)”になったように、です。

 これらの、人々は言論界では「正論」「諸君」とか「SAPIO」に盤居し、論陣を張る勢力ですが、言論界盤居に飽き足らず、放送メディアの世界でも「正論」を作り出そうとし、昨年8月15日を期し、創建したのが「日本文化チャンネル桜」です。

 「スカパー!」等で30万人の有料視聴者が居ると豪語し、「ゆくゆくは公開の民放並みにしよう」と展望しています。

 実際、設立賛同者、最保守の並みいる面々が200名近く名を連ねておられます。

 この辺は、HPの紹介欄をクリックしていただければ、すぐにお分かり願えます。

 しかし、社長である水島総氏ら、幹部連を悩ませたのは、きちんとした番組編成をなし、それを実現してきたものの、それは限られた範囲内だけでのことであり、出版と放送メディアでは根本的性質の違いもあり、広がりやダイナミズムにも限界があり、「政治党派」の様なテレビ局とならざるを得なくなりつつあるのではないでしょうか。

 それで、目玉の特別番組を『左右激突』と題して企画したそうです。

 とは言え、革新派、左翼の間では、当然にも、強烈な批判、顰蹙を浴びている潮流故、出演依頼の声を掛けても相手にされず、か、慎重な対応をされ、一度「アジアプレス」の人々が応じたぐらいのようです。

 それで、あるルートを通じ、僕の方に打診があったわけです。

 そして、僕が、予想に反して、仲間のリクルートも含め、引き受けたわけです。
その2へ続く