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安倍晋三は「美しい国へ」を捨てたか? 

たとえ「売国奴」「非国民」といわれようと、戦争否定を貫ぬこう。


塩見孝也

2006年 10月 20日
                    

安倍内閣は、朝鮮国核実験に対して、中国、韓国らを巻き込み、国連決議を受け、制裁、軍事制裁の行動に出ようとしています。

僕等、「9条改憲阻止の会」は、「非戦=戦争否定、交戦権と軍事力としての常備軍否定」の「9条を遵守しようとする」見地に立っています。

この見地から、今こそ、このような“制裁”、とりわけ“軍事制裁”に徹頭徹尾反対の態度を貫き、「戦争絶対反対」、「「民衆の国際主義的結合による平和」「革命的祖国敗北主義」、の実現の見地を前面に押し出し、行動すべきです。

僕等民衆は、帝国主義者とスターリン主義者の「国民国家」の支配階級が演出しようとする戦争に、「犠牲を蒙りはすれ、何の利益も見出さない」見地で、彼等の世界、彼等のパラダイム、地平に決して誘い込まれず、別の世界、パラダイムから「国民国家を越えた」民衆の国際主義的結合の見地から、徹底的に、この「自衛抑止力」とか「制裁」とかの茶番を鼻で笑い飛ばす、気概が必要と考えます。

一体、アメリカ帝国主義や安倍ら日本帝国主義に何処に「正義→制裁」の道義を振りまわす資格があるのでしょう。

核独占を本当は己だけにしたい、最大の核武装国、覇権主義侵略国家、ブッシュ・アメリカ帝国主義、それに従属し、従属覇権を実行し、戦前の朝鮮民族への侵略を含む侵略戦争、帝国主義間戦争を居直り、肯定せんとする安倍日本帝国主義!僕等日本民衆と朝鮮民衆、アジアと世界の民衆は、この目糞が鼻糞を笑うような、支配階級同士の争いに決して巻き込まれてはなりません。

僕は、 
@ 朝鮮核実験に、「あらゆる核実験、核武装に反対する」見地。被爆国の民衆として、反対する見地、「九条改憲に反対する」見地、総じて独裁者を中心とするスターリン主義特権階級が牛耳る、民衆犠牲、自己(権力)防衛だけの核実験、核武装に反対します。

A これに対して、一切の、日本、アメリカ、その他の国々の“制裁”、とりわけ一切の“軍事制裁”に徹頭徹尾反対します。

B 差し当たって、日本、朝鮮国は、この問題を「ピョンヤン宣言」の立場に復帰し、話し合いの方向で解決すべきです。


今、安倍内閣を思い通りに野放しにさせて置くなら、本当に日朝、米朝を中心にした戦争に発展してゆく危険は、かつて無く高まっています。

安倍晋三が中国、韓国に飛んだのは、決して彼が、彼の「美しい国日本へ」の政治・思想、路線を変えたり、軟化させたり、修正したりしたのでは全くなく、それを、朝鮮核実験という事態の中で、より巧妙に、実際的に適応させ、強固にしていっている、と見るべきです。

彼の狙いは、中国と朝鮮、韓国と朝鮮国の間に楔を打ち込み、離間させるためであり、反「北」、朝鮮国敵視をさらに強化し、戦争、戦争的圧力で倒壊、解体させるためであり、叉それでもって、“戦争のできる体制”を、対朝鮮国戦争準備を梃子に実質作り上げ、改憲に持ってゆこうとする戦略です。

ブッシュ・アメリカ帝国主義と組んだ、実際の情勢に合わせたよりグランドデザイン化し、よりグローバルな視野を取り込んだ「美しい国へ」への強固化、豊富化といえます。

実際、彼のこれまでの体制である、議会主義的政党政治を越えた、金脈=「安晋会」、テロ活動も行う極右勢力との絆、統一教会ら反共保守の宗教勢力ら、超国家主義勢力らとの結合関係は崩れ、亀裂が入っていっているでしょうか?全く崩れてないし、より強固になっていると見るべきです。

安倍は、中山を座長に据え、「拉致同胞の全員奪還」のセレモニーをやり、横田夫妻等被拉致家族をがっちり取り込んでいるし、他方では中川自民党政調会長等に、「非核三原則の破棄、核武装」のアドバルーンを揚げさせたりもしています。

叉、久馬防衛庁長官に、米軍と連携した「北」艦船の「臨検」という形での憲法違反、「極東有事の範囲に入る」として「集団安全保障」の実行を仄めかさせ、ています。

中国、韓国は、「北」の間違った核実験、核武装で、それぞれの持つ弱点、限界故に、米帝、日帝の側に引き寄せるこのような作戦に乗せられ、かかっています。

かかる国連決議→制裁→軍事制裁の階梯は、逼迫した形での軍事的冒険主義の危険極まりないチキンゲームを挟んでの実際の戦争への直線的コースでの盲進あり、僕等は、日米帝国主義とスターリン主義、朝鮮国との戦争を徹頭徹尾批判すべきです。

一切の戦争準備行動に反対、批判し、非暴力思想を持って、非協力、不服従の態度をとるべきです。

朝鮮国は、この国連決議とそれに伴う諸確認を「宣戦布告とみなす」と呼ばわっています。

日本、米国、朝鮮国、中国、韓国ら関係諸国民衆は戦争推進の自国政府、権力、体制と「反戦争、戦争否定」で戦争推進に真っ向から闘うべきです。

この見地で、民衆間の国際主義的結合を強化してゆくべきです。

レーニン主義流に言えば、僕等は「自国戦争推進政府、権力、体制打倒」「革命的祖国敗北主義」を、たとえ、「売国奴」、「非国民」と言われようと徹頭徹尾貫いてゆこう。

これこそが、もっとも人間的、民衆的で、人類的で、真に「民族」「自国民同胞」を愛する科学的で正しい態度と考えます。

日米両軍の連合した対「北」艦船への,臨検は、戦争への発火点となりうる可能性が十分あります。

僕らは、戦争の火種、発火点に連なるような執権勢力の諸行動を注意深く監視し、徹底的に反対し、制動してゆかなければなりません。


塩見孝也