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年頭のメッセージ

2010年 1月 10日

塩見孝也


1.今年も厳しい年となります。庶民は、心より景気の回復を望んでいます。僕も、その気持ち、感情は十分に理解できるし、願わくばそうあって欲しい、と思わないわけではありません。しかし、世界金融危機、全般的で、構造的な世界過剰生産恐慌−経済の長期停滞、構造的不況。アメリカ、中国、日本ら世界の経済状況を概観すればそうは行かない様にも思われます。

 大本営発表をそのまま額面どおりに鵜呑みに信じるわけには行きません。

 オバマ・アメリカ帝国主義とそれに連なる国際的資本主義勢力への一切の幻想を断ち切った、世界の根本的変革が問われて来ています。

 政府や執権勢力、金融資本、独占資本家勢力を中心とする資本家勢力が僕ら労働者ら人民大衆を助けてくれるでしょうか。

 僕には、そうはとても思えません。彼らは自分達の利益、利潤、そしてこれを保障する民衆支配の経済、政治体制を守り抜くのに必死なのです。

 労働者階級ら人民大衆は、他のどの階級に頼るわけには行かず、自分で自分の身を守るべく、そのために創意工夫して、自主性、創造造成性、意識性を発揮し、頑強に闘わなければなりません。

 民衆自身の団結のみが自らを助け、仲間、味方階級を助け、世界を変える原動力と思います。マルクスは以下のごとく言いました。まさに彼の言う通りと思います。

 「プロレタリア解放の事業は、プロレタリアート自身の事業である。(第一インタ―ナショナル、規約、マルクスの起草)」

 このような民衆の革命的覚醒に向けて、革命家達や先進的民衆は、思想、理論、行動的実践の諸方面において奮闘すべき、と思います。

 ただし、独善に陥る危険があることを、いつも自戒しつつです。



2.戦争を阻止する。反貧困の闘いをもっともっと成長させる。そのために民主主義をもっともっと鍛え、発達させる。真の民衆中心の民主主義を育てて行くこと。この闘いの実現可能性は、過去の時代に比べれば圧倒的といえるほど存在しています。

 資本家階級の、資本主義の唯一の延命、危機の脱出口、戦争は、過去の時代と違って、民衆がそれを拒否し、頑強に闘えば、この道をおしとどめて行けます。僕ら日本民衆は平和の尊とさを身に浸みて知る貴重な体験を持っています。

 憲法9条と25条の遵守の闘いをもっともっと推進してゆくこと、さらにこれらを結合させること。さらに世界の民衆闘争とこの闘いを結合させてゆかなければなりません。

 そして、そこにおける資本主義批判の活用の重要性は、前にもまして決定的と言えるほど、重要になってきています。これを武器にして、ベースにしてこそ、これらの闘いは良く闘え、かつ、これをベースにしてこそ、もう一つの<共同の生産手段で労働し、自分達の沢山の個人的労働力を自分で意識して一つの社会的労働力として支出する自由な人々の結合体(「資本論」第1部、第1編、第1章、第4節「商品の物神崇拝」>の社会という別の世界があることが見えて来、その世界に向けて反改憲、反貧困、反安保の戦いがチャンと連なって行っている回路、道筋を持っていることも見えてくるようになります。



3.今年は民主党、鳩山政権がその限界を露呈する年ともなります。 彼らは「改憲」を口にし始めました。この事態は、もともと彼らの政治綱領でしたが、「対等なる日米関係」を口にし始めれば、公然と積極的に出さなければならぬ課題ですが、僕は、昨年末、小沢氏宅へ<銃弾のようなものが送りつけられた>」というニュースが流された時の小沢氏や鳩山首相の対応するまざまざとした姿の中にそれを見受けました。その翌日、鳩山首相が記者会見し、何の脈絡もなく言いました。曰く「<憲法の在り様につきましては、これまでも真剣に考えてきました。><これから、私の内閣も真剣にこの問題を推進してゆく><憲法審査会も開会して、憲法の在り様につきましても今後、具体的に検討してゆきます>」と。テロへのこの政権の弱さを、ちょうどオバマがそうであったように僕はまざまざと現認したのです。

 おりしも、今年5月18日は<国民投票法案>が発効する日です。普天間問題、辺野古新基地建設問題もこの5月です。日米安保50周年はこの6月です。

 今年5月〜6月は、沖縄―安保、改憲、貧困問題が大爆発し、支配階級と民衆は大激突して行きます。僕ら民衆側は、この5〜6月に向けて、闘いを展望し、今から※1月30日の闘いを皮切りに、戦いの路線、方針、陣形構築を準備して行かなければなりません。1月30日の戦いにおいて、僕らはこの5〜6月決戦の烽火を上げなければなりません。この日、ウチナンチュウの人々が、1000人招請の最初の試みとして東京にやってきます。
 この5〜6月がどのような様相を持ち、どのように展開されるかによって参院選の展開、様相も変わってゆきます。

 僕は、この参院選挙における「民主党単独過半数」について、自民党が衰退、分解化するのは必然にしても、決して許してはならないと考えます。

 <9条改憲に反対し、安保破棄を求め、貧困を打破せんとする」政治潮流、勢力の伸張こそ求めます。皆さん、5〜6月に向け、今からそれぞれの持ち場から、それぞれ流に準備してゆきましょう。



4.先ず、僕ら労働者階級は、身を守り、生きる権利を主張し、実現すべく労働運動を起こすこと。それを、資本主義と対決する労働運動へと高めること。反改憲、反安保の戦いと反貧困の戦いを結合させること。国際階級闘争と国内階級闘争の結合させること。それを推進する結合された変革の勢力を登場させること。

 このような闘いの集積、綜合は、とりわけ全民衆的政治闘争を中心としつつ、街頭を巨万の民衆が制圧してゆくように進んで行きますし、そのようにしてゆくべきです。

 このような闘いの集積、そしてその綜合は、必ずや、職場、工場における労働者の生産手段の自主管理運動を生み出すに到るし、そのようにしてゆくべきです。

 先ず、細流を掘り起こす。そしてそれを大河へ。結合された勢力へ。革命的世界観を身に着けてゆく、革命的第3極の勢力登場に向けて、闘う細流を大河へと合流させてゆくこと。こういった方向に向けて、つなぎ合わせ、牽引してゆき、一つの力強い潮流へと高め上げてゆく営々たる努力の大切さを自覚しましょう。大業は壮大で、前途志遠です。ここからみれば、人は途上に斃れる運命にあります。この覚悟を固め、皆さん、基本的方向性、基本陣形構築に向けて奮闘しましょう。


集 会  : 「普天間基地はいらない 新基地建設を許さない 1・30全国集会
日 時  : 2010年1月30日(土) 14:00開会 16:00デモ行進
会 場  : 日比谷公園・野外音楽堂
主 催  : 1・30全国集会実行委員会

塩見孝也