さまざまな大衆組織の属している事態は、まったく、自然な事ではあるし、そのリーダー格、指導者格の人々、ないしはその組織から推薦された人から、その大衆組織の信頼を受け、個人として、集会の大目的に沿って、連帯の挨拶を受ける事は、なんらこの上記原則に抵触しない。

 われわれ実行委員会や「阻止の会」は、「9条改憲阻止」をあくまでメイン方向にしつつ、「反安保」、「反貧困」の領域を加え、その事で、「反改憲」の運動を、一層、頑強さと多様性、幅広さ、をもった包括的運動に仕上げて来始めていると思います。
 ★年配層中心から、20代,30代始めの青年層、中年層が参加し、課題であった若者、中年層の老、中、青の世代を超えたによる運動展開に手がかかり始めました。
また、沖縄、関西各地方の方々も参加し、ここでも、全国化の課題に手がかかり始めました。

 ★このような、立場、観点、方法において、僕らは、四つの基本スローガンと14のサブ・スロ―ガンで一致を勝ち取って行ったわけです。

 憲法9条改訂を許さない6・14全国集会 基本4本スローガンと13のサブスローガンを重ねて記載しておきます。

 1、憲法9条改訂を許すな!憲法審査会、国民投票法の始動を許すな!
 ・海賊対処法制定を許すな!自衛隊はソマリア沖、インド洋から引き上げよ!
 ・自衛隊のアフガニスタン派兵を許すな!
 ・日本の核武装を狙う、原発推進反対!
 ・教育の国家介入を許すな!日の丸、君が代の強制反対!
 ・あらゆる国の核実験・核武装反対!朝鮮民主主義人民共和国の核実験反対!「対抗」、「制裁」の名の下での、わが国の核武装化や諸 軍事行動の一切の動きに反対!
 ・9条バンク運動を推進しよう!

 2、日米安保条約を破棄しよう!米軍基地を違憲とした伊達判決を活かそう。
 ・米軍の辺野古・高江新基地建設を許すな!
 ・米原子力空母の横須賀母港化反対!
 ・イスラエルのガザ無差別攻撃、占領封鎖を直ちにやめよ!

 3、労働者派遣法を撤廃せよ!非正規雇用をやめよ!
 ・リストラ・首切りをやめよ!
 ・福祉・医療・介護の切捨て反対!
 ・後期高齢者医療制度を撤廃せよ!
 ・若者を生きさせろ!高齢者を殺すな!

 4、麻生自公政権打倒! 全野党は協力して政権交代を実現せよ!




2.集会、そのプログラムの特徴的内容について。

・各戦線、(現場)、各界の基本的構成を網羅した。徹底した革新派、民主主義派、変革潮流の基本布陣の足がかりを築いた。プログラムの構成の説明は、ここでは省きます。

 「9条改憲阻止の運動」、反改憲・反安保(反戦争、平和と民主主義)運動、労働運動の現場で闘う人々の報告。

 意識的な活動家の人々、層、勢力の東京、関西での総結集。


・特徴的内容。

 改憲、反改憲の攻防の憲法論、法理論上の解説の講演。
土屋源太郎氏の長沼訴訟。

 米国反戦将兵のメッセージ。インターナショナルな思想性、観点は、極めてわれわれと近く、注目すべきです。

 青年層が加わり始めた。中年層も。

 バンク、海賊船取り締まり法、来年を見据えての展望と方針の提起、9条バンク方針の提起、集会宣言、デモコースの紹介とその心得、デモの思想的、政治的心棒となる基本スローガンの斉唱、らの実行委員会事務局の締めは決まっていました。

 二つの音楽、演奏。合唱ら歌、芸術・文化からのアプローチはすばらしかった。
 
 デモ案内と四つの分野からシュプレヒコールによるデモの貫徹。

 今後、ますます、民衆運動のデモンストレーションは、比重を高め、街頭での行動が、政治の全局を決して行くようになってゆくでしょう。

多くの人々の積極性が活かされた、「第3極」潮流の視座からの多様性の統一、大衆性と原則性の統一の粗い粗形が創られつつある。

 司会の構成の良さ「男性と女性、実行委員会事務局メンバーと女性元議員の組み合わせ」と進行の巧みさ。楽屋裏からの進行リードの巧みさ良さ。実行委員会のトータルな能力、実行能力がここに具現化されていった。



3.政権交代の可能性が増大する中での、「6・14」の意義とは?

民主党を中心とする連立政権の可能性が増してきています。基本的には、まったく歓迎すべき情勢といえます。いわゆる、小沢流の「脱自民党」勢力との連立、「政治再編」に行かせないようにする。

 民主党は政権与党ともなれば、今後、決定意的な限界を露呈してゆく事は必然です。われわれは、民主党・党綱領の基本が、「改憲」であり、「日米安保条約肯定」であることを忘れてはなりません。

 とはいえ、政権交代は、民衆運動にとって、計り知れない平和と日本型官僚制度改革、民主主義、反生活破壊・反貧困、格差是正の広々とした地平を拓いて行く前提条件を与えてくれます。

 「第三極」潮流輩出の広大な前提条件を与えてくれます。

 この点で、僕らは、先ず持って麻生自公政権を打倒して、政権交代を実現すべく、大衆運動をあくまで第一にしつつ、選挙闘争おも戦うべきです。

 民主党を中心とする連立政権を左に向けるべく、発言力を確保できる戦略配置、つまり、大衆的民衆運動第一で、9条改憲に反対する立候補者を支持し、改憲を強行しようとする勢力を落とす事、都議選、地方選挙において、民衆に信頼される革新的議員を支持すること。われわれの同志を立てること。実際的には、社民党、新社会党、国民新党、共産党らに投票する事。この基本配置を強化して行くべきであろう。

 ●「保守か、改良か、徹底した革新・変革の<第3極>か」の三つ巴の政治的大流動、分化・再編が起こりつつある。

 僕は、われわれを、9条改憲阻止を貫き通す限り前二者とはまったく違う世界を内包する「第3極派」と考えています。

 「第3極」潮流は、最保守、ファッショ潮流との思想的、政治的対決機軸を前面に押し出し、この対決機軸をもって、この勢力を徹底的に孤立させつつ、同時に、「第3極」派に、民主党ら体制内改良主義的「革新」派を、「是々非々」で連合しつつ、引き付けつけて行かなければならない。 「反改憲、反安保、反貧困」を貫き通す「国民会議」を、はっきりと展望して行くべきこと。

 しかし、急がず、慎重に準備してゆくべきでしょう。また、これと一体に民衆運動のその統合機関、司令部を創出してゆく課題が提出されつつあることも自覚すべきでしょう。



4.国際(世界)情勢の基本性格は、「戦争か平和か(根底に、戦争か、革命かを内包しつつの)」に設定されるべきである。この基本構造の中での今集会の意義とは?

 ●朝鮮核実験、シオニズムとのパレスチナでの攻防、イラン、アフガニスタン、パキスタンらの発展途上国地域では、<戦争と平和か>、<専制か民主主義か>、<格差化・貧困化か、格差是正、反貧困か>の凌ぎあいに凝縮する、激化する闘いの関係がますます進展して行きます。 この関係性は<戦争か革命か>、<反革命・ファッショか、「もう一つの世界(現代に即した、新しい創造的社会主義と僕は考える)か」に向けての変革か>を内包しつつ、展開して行きます。

 こういった、世界の中でも、先進資本主義の「執権勢力vs民衆」の階級関係でも、反改憲、憲法の完全実施要求を基軸にする(当面の一時代ですが)<戦争か平和か>の基本対決構図となっていること。そして、その中に、このような質:<資本主義批判―プロレタリア革命>の質が内包され、増大してきていることをしっかりと押えておくべきです。
 徹底したプロレタリアートら民衆は、途上国の平和(反侵略、反戦争)、民主主義、生活防衛を闘う民衆との連帯を、既存の国家、体制との関係を第一義とせず、直(ちょく)につながって行くやり方を追求すべきです。このようなインターナショナリズムの追求の第一義的意義にに僕らは確信を持つべきです。

 今の時代は、この可能性を現実性に転化してゆける時代です。「万国のプロレタリアート、被抑圧民族は団結せよ!」のスローガンが額面どおり通用して行く時代です。この認識の正しさに確信を持とう。



5.革命家は自己の責務をどう認識し、行動すべきか。

 革命家、前衛を称する人々、グループ、政派がプロレタリアートら民衆に唯物弁証法的な科学的認識、歴史観、マルクス主義の政治学説、実践作風を広宣・流布するのは、民衆運動にとって、不可欠で、良きこと

 しかし、教条主義的なマルクス主義の護教化、神学化、組織至上主義、総じて、召還主義に陥らず、民衆との結びつきを極力強めつつ、大衆的政治闘争の推進の中の烈火の中で、自分を鍛えなおして行くべき、と思います。

 今の「革命家」「前衛」を自称する人々の現状は、この両分野で、足らざるところ多かりし、民衆解放の事業は遅々として進まず、と言わなければなりません。「烈火の大衆闘争の中で、自己を鍛えなおす」こと。

 こうしてこそ、自分達が相当の比重で、民衆解放の統合機関、統合司令部を民衆自身が創出してゆくことに於いて、寄与してゆけるものと思います。

 民衆運動の全民衆的展開の基本方向をベースにしてこそ、マルクス主義コミュニストの革命的統一は図って行かれるものと僕は確信しています。



塩見孝也