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水に落ちた犬を打て!
破れかぶれの安倍晋三を、息を抜かず追撃しよう。

2007年 3月 12日

塩見孝也


安倍晋三はやけくそな政治を行おうとしています。

そのことを、昨日(3・11)の〈サンデーモーニング〉は、いろんな情報を集約しつつ、総合的、多角的視野から、見事に解説していました。

ほんの一部のある時期、ある対象についての、極めて限定付きなものと言っておきますが、でも、現在の安倍政権が置かれている状況について、安倍が開き直りをし始めてから、冷静に捉えられる報道がちらほら出て来つつあるのは、ありがたい、と言えます。

特にピョンさんの「破れかぶれの安倍晋三」の論評が冴えていました。これには、僕はいたく同感しました。

正に、安倍は“破れかぶれ”なのです。

先ずは次のことです。

公明党が〈5月3日の憲法記念日までに国民投票法案を通す〉という安倍発言に〈何故、憲法記念日までに、に拘るのか。それが分からない〉と、「時期尚早」、をやんわり臭わせた、発言をし、今まで、改憲問題では、自民党と二人三脚的と言われていた民主党枝野氏までが、「自民党の国民投票法案には、絶対に同調しない」と記者会見している様子が放映されていました。

確かに、未だ「国民投票法案」は、「改憲賛成、反対の如何に関わらない、手続き上の問題」と、改憲を前提とすることが,「中立」を装おわされ、カムフラージュされています。

こういう風に、出されてくると、いつの間にか「改憲が前提にされている」先入観的思い込みを、心理的に、民衆(国民)に与えつつ、改憲派に有利な土俵が、巧妙にしつらえられて行きます。

しかし、この、作戦を読み込みつつ、民衆の側に、他方では、それでは、「何故手続き法案だけを先行させるのか」、その「本家本元」の「改憲の是非こそ、慎重なる国民的議論を起すべき」という議論が、このところ、急速に、高まってきているのです。

これが、正論といえます。

さらに、面白い報道が続きました。

米「ニューズウィーク」誌が一面トップで派手に〈安倍は全くの期待はずれの首相〉で扱っている写真放映です。

このような、一流雑誌に、これほど派手に、友好同盟国の一国の首相批判が載せられることは、極めて珍しいことではないでしょうか。

さらに、アメリカ議会で、民主党が〈従軍慰安婦問題での、安倍の事実上の「強制」の否定〉を重要視し、謝罪要求を決議せんとしていること、---これは、在米の韓国人の運動が効を奏しているらしい---しかも、これがヨーロッパに飛び火する勢いになりつつあり、ブッシュはこの事態に、全く無為無策で手を拱いているばかりなこと、の報道が続きました。

安倍は、海の向こうから舞い込んで来るであろう謝罪要求に、「たとえ来ても謝罪しない」ムキニなって応じていました。

韓国、中国では、怒りのデモが巻き起こっていることもリアルに報じられていました。

河野談話(当時の、この問題での、自民党総裁)の、アップされた発言録を見ますと、「民間もやっていたが、官憲も介入していたこと、総じて強制的であった事」が明白に記録されていました。

誰が、見ても安倍の「民間の業者はやっていたかもしれないが、国家としてはやっていなかった」は詭弁に過ぎず、こんな屁理屈で、「全体としての“強制”は無かった」など、お話しにならない、ペテンの言質であることが分かります。

叉、米朝関係や国際常識では、日本と違って「核か、拉致か」と、リアルな選択が問われた場合「核(拡散)禁止」が、冷厳に優先される判断にあることも報じられていました。

そして、金桂冠(キム・ケグァン)6ヶ国協議の北朝鮮代表が「日本は拉致、拉致というが、日本の戦前の拉致はどうなんだ」「被拉致者の全員帰国というが、日本は、死んだ人まで、生き返えらせて、帰国させよ」というがこれは「無理難題である」という印象に残る発言がありました。

安倍の理屈どおりでは、「北朝鮮の崩壊」「戦争での打倒」以外に解決はない、わけですから、「北側」から見れば、「無理難題」となり、政治的には、全く知恵のない対応となっており、この安倍のこれまでの唯一の政治カードであった対「北」政治が崩壊の淵に立たされてきた、と見ても良い、と思います。

ただ、金桂冠氏の「我々はアメリカと協議し、核問題を決着つけようとしているのです」の氏の発言には、日頃言っていた「アメリカ帝国主義批判」が、影を潜め、彼等の本音と思われる「アメリカ羨望、憧憬」の感情がモロ出しで、「北」も、少覇権主義で、核実験、核武装に何の精神的痛痒も感じていない、姿が印象深かったです。

この間の米朝関係の政治の動きは、「北」側の、アメリカの中東での軍治の行き詰まり、ブッシュ政権の行き詰まりに衝け込んだ、極東での政治力の決定的弱化を読んだ、ゴリ押しの核を、もて遊ぶ詭道の粘り勝ち政治であり、決して褒められたものではないことも依然指摘しておきます。

「北」に対しては、僕は、核や核軍事を弄ぶな、と依然言いたいです。

しかし、これは、あくまで隣家のこと、僕らが問題にし、義務として始末をつけなければならないのは、我が家の、どうしょうもない安倍政治に対して、です。

安倍晋三は、「退くも破産、進むも破産」の状態なのです。

このことは次のように説明できます。

彼は、復古主義の対米、対中の「二正面対決」と言う超アナクロの保守右翼そのものの路線を掲げて首相になりました。

しかし、首相になって、国内外の非難を受け、今度は、妥協・譲歩路線で、プラグマチックな政治を行い、民主党の「格差社会是正論」の土俵にまで引きずり込まれるに至りました。

「それではならじ」で再軌道修正で、当初路線に戻してきたわけです。

そして、どうせ、破綻し民衆に見放されるなら“破れかぶれ”で、「改憲ー国民投票法案単独強行採決をやろう」といった道を選んだわけです。

この動きは、もっとシンプルに、精神的には、説明できます。

安倍政治の原点は拉致問題での対北朝鮮反共政治でした。そして、これを対中国、対ロシア、対アメリカにまで押し広げん、とするものです。

これは、対「北」だけには通じても、決して、それを広げた対象には通用しない、超保守右翼のみが共有する、全くの井戸の中の蛙の見る「白日の夢」でしかないこと、それ故に、この真実の実態を知るや否や、安倍は自らの政治の故郷、超保守右翼の古巣に帰館せざるを得なかった、ということです。

こういう風な事態になった以上、まー、超保守の「美しい国」のアドバル―ンをぶち上げた以上、こういった選択以外に安倍には残されていなかった、ということでしょう。

しかし、それでは、参議院選まで、持つか否かは微妙です。

松岡農水相の「事務所費用に水道代は計上していない」と言いつつ、ちゃっかりと、会計には五百何十万が明細されていること、こんな調子で、閣僚のスキャンダルは目白押しなのです。支持率の急速な下落ら、政治も四面楚歌、足下には火がついている、こういった状態で、民衆(国民)は、ついてゆくでしょうか。

僕は、ついてゆかなくなりつつあると思います。

であれば、僕ら「4・28安倍内閣打倒統一行動」の設定は、全く妥当極まりない、方針であったといえます。

皆さん、七転八倒する安部政権を追撃しましょう。

水に落ちた犬は、打て、で徹底的に追い詰めてゆきましょう。

               塩見孝也