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4・28「沖縄デ―」に決起しよう!

4月22日(日)には、前段トーク・フェスティバルとして
第8回 「塩見塾」 を行います。 是非ともご参加を!

2007年 2月14日

塩見孝也


2月7日の「憲法トーク」イベント(第7回塩見塾)で宣言しましたように、4・28沖縄デーを、沖縄の人々〈ウチナンチュウ〉と連帯し、心ある人々と連帯し、本土・東京で、本気でやろうと思っております。

僕は、何よりも、60年代から70年代、10・21国際反戦デーと共に、ヤポネシア列島民衆の抵抗の祝祭日として、世界と日本民衆にメッセージを発し続けてきた「沖縄デー」を復活させたいのです。

● 4月22日(日) 13:00〜16:30 「新宿ロフトプラスワン」にて、「4・28沖縄デー」に向けてのフリートークなどのフェスティバル。

● 4月28日(土) 「政治集会」とデモンストレーション

 等を、大雑把に考えています。ロフトプラスワンの方は、すでに予約いたしました。

 近いうち、心ある人々と趣意書を作り、大筋の細目を決め、皆さんに呼びかけます。




4・28「沖縄デー」は、もともと1951年の日米講和条約締結、日米安保条約締結の過程で、排除されていた沖縄の人々が、その年から、「復帰運動」として、4・28の日に、沖縄から、毎年、毎年、「沖縄デー」と称し、始めていったものでした。

それが、60年代になって、アメリカのベトナム侵略の継続拡大の過程で、ベトナム反戦運動と結びつき、「本土化」してゆき、「反戦・反安保・沖縄解放」として、毎年、毎年、日本「内地」でも民衆の抵抗の祝祭日として、取り組んでゆかれるようになりました。

沖縄は1972年、本土―沖縄、日本民衆、ウチナーを貫いた、佐藤栄作的「基地アリ、核アリ」返還に対する反対運動(ブント的には、「日米侵略前線基地化反対」)を押し切って「復帰」されるも、全国一の貧乏「県」のまま、米軍基地の7割を、相変わらず集中され(し、沖縄での米軍基地布敷き面積、19・3%、核倉庫があると言われている)、自衛隊の進駐、普天間基地移転の迷走、ジグザグ、への子への強引極まる基地移転計画、米兵の「県民」・女子学生への度重なる暴行、様々な軍事的諸事故の継続、騒音、相かわらずの基地経済依存、を強いられ続けています。

沖縄は、誰間違うことなき、歴然たる、世界に冠たる“基地の島”として、戦後から、今に掛け一貫してそうあらしめられてきたのでした。

米軍のアフガン、イラン、イラク、アフリカらへの移動・移送許容の米軍基地、イラクら中東アラブ諸国の侵略、数限りない暴虐は沖縄米軍基地が出撃要塞となっていると言って過言ではないし、叉、これとタイアップした自衛隊のアジア、全世界への「集団安保」を名文とした従属的な覇権主義的行動の積み上げ、は継続、拡大して来ています。

日本帝国主義、小泉・安倍政権は、「冷戦」崩壊以降、朝鮮国、中国を新たに仮想敵国と定め、とりわけ、朝鮮国・拉致問題を切り札にして、このように日米両軍の基地・日米安保を質的再編・強化し、中国と朝鮮を封じ込め、一方で強力に軍事的に牽制しつつ、これを梃子としつつ、他方では、中東を中心に世界に、アメリカ帝国主義との軍事的、政治的世界展開と呼応しつつ、グローバルな世界(従属)覇権を実行しつつある、と言えます。

中国を「市場社会主義」という資本主義を、後戻りさせないようにし、かつ、中国が帝国主義的国家同士として資本主義超大国に成り上がり、敵対関係に立たせないようにすべく、変質させようとしているわけです。

僕らが、70年代末から80年代、90年代、国際・国内情勢の変化、資本主義の一大変化、資本主義の第3段階、グローバル資本主義への発展到達、市場原理至上、ネオ・リベ風潮に対して、対応し得ないまま、呆然自失、二日酔い情況に追い込まれている間のこの約30年間に、この様な堅牢なグローバルな軍事・政治構造が、沖縄を中心に築かれてきた、と言って良いと思います。

であれば、沖縄は、「返還」以降、一方で、「島歌」から、喜納昌吉「花」にいたる「のどやかな」「南の島」の印象で、日本文化の中に、何の抵抗感もなく宥和せしめられていった顔を有しつつも、その、「のどやかさ」の裏に、世界覇権とそのための殺人要塞基地の島としての機能をパワーアップし続けてきた、という、別の顔を持つことを僕らは決して忘れてはいけないと思います。

この「基地の島」の顔の中にこそ、江戸時代の薩摩琉球支配、明治の琉球処分、日本軍国主義の「南方」、「大陸」前線基地化、悲惨極まる「沖縄戦」の、近代以前から、近代にかけての、沖縄史の民衆惨苦が塗り込められ、他方では、その苦難を生き抜いてきたウチナンチュウの戦前からの苦闘の歴史があることを見失ってはなりません。

中でも、僕らは、沖縄の地で、自由民権運動を開始し、闘い、最後は発狂、狂死した謝花昇氏とその仲間達の苦闘を忘れてはなりません。

彼は、薩摩閥や天皇主義ブルジョア権力に抗し、ウチナンチュウとして、自治と参政権のために闘った人でありました。

このウチナー民衆の歴史の中にこそ、あの70年闘争の中で、ヤマトンチュウとしての自己批判を行いつつ、「日米共同前線基地化」に徹底反対し、「沖縄闘争勝利」「沖縄連帯・解放」を唱え、必死で、連帯しようとした、僕ら新左翼、全共闘青年達の対象があったと思います。

僕ら、第二次ブント系労働者・学生は、一方でベトナム・インドシナ三国民衆を思いつつ、他方では、このウチナンチュウの、延々たる前近代からの惨苦を噛み締め、1969年、4・28、医科歯科大学から出撃し、ジュラルミン盾とヘルメット、ネット柵で防御する機動隊の壁を打ち破ったのでした。 

だが、このような、堅牢な日米の軍事・政治構造が、アメリカの中東支配の要衝地帯、イラクに於いて揺らぎ、それがアメリカ国内の政治危機に連動し始め、そうであればあるほど、逆説的に米軍が増強される事態が現出していること。

それ故に、安倍は、最早アメリカに依存してばかりはおれないと、9条改憲の投機的政治行動に乗り出してきているわけです。

であれば、「反改憲」「安倍政権打倒」を実現してゆくには、

1. まず第一に、本土で闘う僕らの反「改憲」、反「国民投票法案」、らの「全人民的政治闘争」は、一方で、フリーター、二ートら不正規労働者、失業者、様々な、社会的病理として諸疾患に悩む青年労働者、あるいは、正規、不正規を既に問わなくなってきている、諸労働条件の悪化ら「生活・労働問題」、「格差社会是正要求」を持って、悩み、闘い始めている本土―沖縄を貫く、労働者〈特に青年労働者〉との結合を意識的に図りつつ、

2. 第二に、その改憲攻勢の最大、最強力の後ろ盾であるアメリカ帝国主義、日米安保の実質として、全国の米軍基地、とりわけ、それが密集した沖縄米軍基地がある以上、如何にそれが“反住民的”、“反民衆的”であるかを暴き、反基地(再編)、基地撤去の闘いと結合させてゆくべきこと、叉必ず結合してゆくことを確認、確信すべきではないでしょうか。

3. そして第三に、僕らは、安倍晋三内閣の打倒を鮮明に打ち出すべきでしょう。

安倍内閣は、民衆の決定的な大衆運動の数撃が打ち下ろされれば、倒れる可能性すら秘めている、と思えます。

それほど、安倍内閣は、政治的に行き詰まり、いまや求心力を失い、流れ始めているように思えます。

だからこそ、僕らは、恐めず、臆せず、安倍内閣打倒のスローガンを高く掲げるべきと確信します。

a, 無能、統率力が無い。人事らを裁く能力がなく、裁ききれないから、ごね得で、収拾の付かない人間関係をきたしている。

不満が渦巻いており、中川幹事長までが、この情況で、「憲法・国民投票国会」にするのは、「考え物」と言い始めた、と新聞(朝日)は報道しています。

b, 「非国民信任」内閣で、前小泉内閣の「数」を頼んで、「国民」とは関係の無い所で、強引な強行採決ばかりをやる。このような議会運営の異常さ、おぼつかなさに「国民」が気付き始めていること。

c, 今回の「女性は子供を産む機械」という柳沢発言らを擁護したり、閣僚スキャンダルが多すぎ。

かかる事態であれば、民衆、国民は、こんな連中に政治を任していて、大丈夫だろうか、と思い始めているのではないでしょうか。

この発言で、かろうじて女性の間に保たれていた安倍人気も凋落しかかっています。

d, 「美しい国」とか鳴り物入りで自分の思想路線・政策を売り込んだが、全く、それは内容がなく、机上の空論で、一貫性がなく、常にツツかれて動揺する底の浅さ、信念のなさ。

彼の「信念」なるものが、単なる観念の産物であることが明白になってきたこと。

「中国行き」についてすら、それが自分の政治に、どうブーメランの如く、跳ね返ってくるのか、全然読みきれていない、でやっていること。

こうすれば、反朝鮮→反中国→改憲という安倍の思うコースが決定的に鈍って行くことなど分かりきったことなのに、全く対策を持たず対応していた。

さらに決定的なことは、「超保守右翼」、「拉致問題―朝鮮国への反共・強硬路線」で、売り出して来た彼であるわけですが、最近の6カ国協議での米朝「密月」ムード〈北朝鮮の強引勝ち〉のなかで、北朝鮮カード、朝鮮排外主義カードが、徐々に切れなくなってきているという事態です。

これは、彼の政治生命を、対中国対応と共に、既に脅かしつつあるが、今後決定的に脅かすでしょう。

e, この反共・保守路線に変わって、民主党に突っ込まれ、受け太刀となり、「格差是正」取り組みのゼスチャーを示し始めたが、これ叉、全くの付け焼刃のでたらめ極まる代物であることも明白です。

本来、経団連・御手洗に従って、彼は、国際生産力競争に打ち勝つべく、酷薄極まる「賃根、労働条件釘付け」路線を実行しているのに、―つまり「ホワイトカラー・イグゼンプション(ホワイトカラー層の残業代ゼロ化)」が本音―全く付け焼刃と言えます。

さらに、教育基本法を、勢い込んで改悪したものの、それは痴呆的な「愛国心」の押し売り、「国家統制」の強化に過ぎず、自分たちが、一方で撒き散らした、グローバリゼーション、ネオ・リベ路線とそこから来る貧困と拝金主義と個人主義を野放しにしては何の解決にもならないこと、実際、現場では、学校・子供達の荒廃が益々進行していること。

4. こう見てくると安倍路線は、ガタガタになりつつある、と言えます。

このような、情況で、「国民投票法案」を出そうとしても、民主党は応じないだろうし、統一地方選も決して上手くは行かないと思えます。

既に、安倍が頼りない評価、親や岸の七光り、特殊な「対北関係政治」にあやかっただけのぼんぼん政治家でしかないことは、日本全国に定着してきているのであります。

こういった、状況で「国民投票翻案」→「憲法路線な」など、たとえ野党の攻撃をかわす、“あて馬政治”をやろうとしても、はて出来るでしょうか?

たとえ、一時強行採決しても、民衆は無力感を感じることなく、追撃を続ければ、民衆・国民の怒りの海に包囲され、参議院選では敗北する可能性が増大してゆくでしょう。

であれば、僕らは、決して、臆することなく、安倍内閣打倒!改憲阻止!格差是正!安保・沖縄闘争勝利!を真正面から掲げ、伝統の民衆の抵抗祝祭日、4・28「沖縄デー」に、断固として、決起すべきと思います。

こうする事によって、80年代、90年代、苦しめ続けられながら、如何なる方向で闘うか、如何に闘うかが分からず、僕ら全共闘、70年安保闘争世代と切断され、双方、糸の切れた蛸の様な常態で放浪させられ、---その典型的世代名称が、「ロスト・ゼネレーション世代」と言われています---居た状態を打破し、双方教えあい、学び合い、強固な世代を超えた民衆的絆が創出されてゆくものと確信します。


               塩見孝也