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「第6回・塩見塾」 の報告

2006年 7月31日

                    塩見孝也


[写真提供:ムキンポ氏]


 
 7/29(土)にロフトプラスワンでおこなわれた第6回「塩見塾」。

 “種は蒔かれた”、第6回塩見塾やり遂げたぞ!


1部は、九鬼野君、内海君、内山さん、友部君ら当事者の学生諸君と3・14救援会大山さん、を始めとする多数の法大生とOBでもたれました。

百聞は一見にしかず。

3・14弾圧から7月にかけてのビデオ上映とその説明は闘いの経過、運動の性格、本質、過程、現状らをリアルに参加者に伝えた、と思います。

平林総長、安藤学生部長の法大体制が、如何に理不尽か、が手に取るように浮かび上がって行きました。

2部は3・14救援会、北大、東大、都立大、同志社大の学生諸君の参加、京大生のアピール、ムキンポさんら社会人、「引きこもりの社会理論」を上梓した市野君らフリーターやニートの青年の発言など。

ここでは、学生層の社会の中で置かれている状態、運動家たちの全国的情況やその連帯の情況、一般青年社会人との社会的な共通性やつながり、らが可なり明らかになった、と思います。

 共通の社会的、政治的境遇に置かれている学生諸君の全国的ネットワーク創出の兆しも感じました。

或いは、法大生の内部情況は元自衛官出身、「防衛研究会」の某君の彼流の立場からの、はきはきした支持、参加発言をめぐる論議の中で、活写されていったとおもいます。

法大生の誰もが、多様な立場にありながら、表現、言論、思想・信条の自由の剥奪に強い危機感を持っていることが明確になったのではないか!

3部は雨宮さん、中川さん、遠坂さんら法大先輩諸氏、「全貧連」松本さん、ジャコバン亭矢部さん、キムさんらが論じました。

雨宮さんは、作家の立場から、フリーター、ニート、或いは、引きこもり、各種依存症の青年たちの情況、それを打破する方向としてのフリーター労組の運動や表現運動の必要性を訴えられ、叉その運動の質が法大学生運動と共通の質を有することも指摘した。

彼女は、「メーデー!メーデー!メーデー!4・30弾圧を許すな。8・5プレカリアート@秋葉」の宣伝も忘れなかった。

松本さんは、後輩の法大学生運動との連帯を表明しつつ、今は地域でリサイクルショップらを経営しつつ、かつての仲間であった自営業の人たちと商店街で社会的影響をます運動をやっていること、矢部さんは、大学のグローバル金権社会での、地位低下、腐敗を指摘し、学問・研究の自由、真理の探究を目指す大学の復興を強調し、「学生諸君、勉強せよ!」と檄を発しました。

現場を持っている、年配の人々の発言は十分な含蓄を持って、法大生に響いていったであろう。

二人の影響力あるOB,中川、遠坂さんは「楽しくて、活気ある、明るい、開かれた学生運動」を共通したトーンで語れられた。

そこには、かつて、ノンセクト黒ヘル潮流と中核派の確執の姿は何処にも見受けられませんでした。

両氏にとって、「未来に繋がる現在の新生の事物が何よりも大切」「過去は過去、傍からとやかく言うよりは、それは、それぞれがそれぞれでけじめをつける問題」「そっとしておこう、そっとしておいてやろう」ということではなかったでしょうか?

運動は常に守旧の傾向と新生の事物の二傾向を孕む。そして、新生の事物が、守旧の事物を止揚してゆく。僕は、その新生事物の主体は何処にありや?と問い直しました。

そして、それが、とりもなおさず、法大生一人、一人こそがその主体であること、であるが故に、何よりも、この一人、一人の感情、要求を大切にすることを改めて痛感しました。

叉、予測したとおり、“党派主義”は既に、人間中心、民衆中心をベースとして蘇りつつある「世界平和」「世界民衆福祉」をしっかりと射程に据えた、「主権在民」「民主主義」と「パトリオティズム」の思潮の中で、完全に過去のモノとなりつつある、ことも確認できました。

今の時代、暴力、軍事は、自主的な民衆の諸個人の正当なる自衛、こういった時のみ許されるのではないか?

この第6回塩見塾企画についてはいろんな危惧も噂された、ようです。

しかし、報告しましたように、ファジー極まりない過程、イベントの実態でしたが、新生の事物と新しい質、思潮を持った共闘の紹介、促進という所期の目的は80名ぐらいの方々の参加だったとは言え、実現されたと自負します。

種は蒔かれた、と思います。

この種は、社会の根幹と四つに組んで渡り合っている民衆にとって、より本質的、より基幹的な「フリーター労組」らの運動といずれ近いうちに合流し、より大きく、沢山の種となり、日本社会全体に、爆発的に新生事物を生み出してゆくであろう、とも確信しました。

それが故に、最後に、今回の塩見塾に参加され、種を蒔かれた人々に、改めて感謝の意を表明したい。



2006年 7月 31日                    塩見孝也